住宅ローンの返済が厳しく、「このままでは家を手放すしかない」と悩んでいませんか? そんな状況でも、住み続けるための方法はあります。本記事では3つの方法の仕組みやメリットを紹介し、自分に合った解決策を見つけるためのヒントをお伝えします。大切な家と暮らしを守るために、最適な選択肢を見つけましょう。
リスタート株式会社 代表取締役 峯元 竜
建設業個人事業主を7年経営後、不動産業を12年間経験。2017年の独立開業後、事業の負債を抱えながら働きつつ 副業を掛け持ちしていた経験をもとに、依頼者目線で課題解決に取り組む。
任意売却やリースバックを通じて、一人でも多くの依頼者が安心して新しい生活をスタートできるよう支援。また独自のネットワークを活かし、複雑な金融機関との交渉や、迅速な売却サポートにも強みを持つ。
3つの選択肢「リースバック」「リスケジュール」「公的支援制度」を知ろう
リースバック
リースバックは、住宅を売却し、その後賃貸契約を結ぶことで同じ家に住み続けられる仕組みです。主な特長として、短期間で不動産を現金化できることと、売却後も引っ越しの必要がないことが挙げられます。
所有者は売却代金を自由に使用でき、住宅ローンの返済や生活資金として活用できます。また、固定資産税や管理費などのランニングコストを軽減できる利点もあります。
リースバックを利用する際は、普通賃貸借契約か定期賃貸借契約のいずれかを締結することになり、長期的な居住希望に応じて適切な契約を選択することが重要です。
リスケジュール
リスケジュールとは、現在の返済計画を金融機関と協議し、無理のない形に変更することを指します。具体的には、以下のような方法があります。
・返済期間の延長:月々の返済額を抑えるため、ローンの返済期間を延ばす。
・ボーナス払いの見直し:ボーナス払いをなくし、毎月の均等払いに変更する。
・一時的な返済猶予:一定期間、利息のみの支払いにする。
ただし、リスケジュールはあくまで返済計画の一時的な調整です。住宅ローンの総返済額は増える可能性があるため、長期的な視点で検討する必要があります。
また注意点として、金融機関が必ずしも条件変更に応じるわけではありません。返済見込みがないと判断されると、相談が通らないこともあります。また、条件変更が認められても、返済期間が延びることで利息負担が増加するため、結果的に総返済額は増える点にも注意が必要です。
※リスケジュールについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
公的支援制度の活用
住宅ローンの返済が困難になった場合、公的支援制度を利用できる可能性があります。特に収入が大きく減少し、生活が厳しい状況にある人には有効な手段です。 具体的には、以下のような選択肢があります。
・住宅金融支援機構の返済特例制度
災害や収入の減少が理由で住宅ローンの返済が困難になった場合、返済期間の延長や一定期間の返済猶予が認められる制度です。
・生活福祉資金貸付制度
低所得者や高齢者を対象とした、低金利での融資制度です。住宅ローン返済の一部を補うために利用することができます。
・住居確保給付金
離職や減収によって住宅を失う恐れがある場合、一定期間、家賃相当額を支給する制度です。賃貸住宅への住み替えを検討している場合に活用できます。
公的支援制度を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。例えば、収入の減少や離職の証明が必要だったり、利用者の資産状況に一定の制限があったりします。手続きも複雑で、自治体の窓口や関係機関への申請が求められるため、早めの準備が重要です。
それぞれの選択肢を比較
メリット | 注意点 | 適している人 | |
リースバック | ・売却後も住み続けられる ・まとまった資金が確保できる ・買い戻しも検討できる | ・家賃の支払いが発生する ・契約条件次第で制約がある | 今の家に住み続けたい人 |
リスケジュール | ・住宅をそのまま所有できる ・月々の返済額を抑えられる | ・金融機関が応じない場合がある ・総返済額が増加する | 滞納前で金融機関と交渉可能な人 |
公的支援制度 | ・低金利で融資が受けられる ・経済的な困窮者を支援する制度がある | ・手続きが複雑で時間がかかる ・条件が厳しい | 滞納前で金融機関と交渉可能な人 |
リスケジュールは、月々の返済額を抑えたい方に向いていますが、金融機関が必ず応じるわけではなく、総返済額が増加するデメリットもあります。
公的支援制度は、収入が大きく減少し、条件を満たす方に有効ですが、手続きが複雑で時間がかかることが課題です。
これらの方法で解決しない場合や、住み続けたいけれど現金が必要な方には「リースバック」がおすすめです。リースバックなら、家を売却して資金を確保しつつ、賃貸契約を結ぶことで同じ家に住み続けられます。
住宅ローンの負担を軽減し、生活再建を目指せるリースバックについて詳しく知ろう
資金を確保しつつ、賃貸契約を結ぶことで同じ家に住み続けられるリースバックについて深掘っていきます。
リースバックのメリット
・売却後も自宅に住み続けられる
売却後も住み慣れた家に住めるため、生活環境の変化による負担がありません。引っ越しの手間や費用も不要で、通学や通勤にも影響しません。また、周囲に売却を知られることなく、安心して生活を続けられます
・短期間で不動産を現金化できる
通常の不動産売却と比べ、買い手を探す必要がないため、現金化までの期間が短くなります。急にまとまった資金が必要な場合に有効な選択肢となり、資金の使途に制限もありません。
住宅ローンの早期完済や資金調達に活用できる
リースバックで得た資金は、住宅ローンの返済や事業資金、老後の生活資金など、様々な用途に活用できます。特に、返済が困難になった住宅ローンの早期完済に役立ちます
・将来的に再購入(買戻し)の可能性がある
一部のリースバック契約では、将来的に物件を買い戻すオプションが設けられています。これにより、一時的な資金需要に対応しつつ、将来的に再び所有者となる可能性を残すことができます5。
・ランニングコストを軽減できる
所有権が移転するため、固定資産税や管理費などの所有者としての費用負担がなくなります。特に地価上昇で固定資産税が高額になる場合や、相続した不動産の維持費が負担になる場合に効果的です
・災害などの所有リスクを軽減できる
所有権が移転するため、自然災害や建物の老朽化などによる修繕・補修のリスクを軽減できます。これにより、予期せぬ出費や維持管理の負担から解放され、より安定した生活を送ることができます。
リースバックの流れ
1.リースバック会社の選定
複数の不動産会社を比較し、実績や評判、査定条件を慎重に検討して最適な会社を選びます。
2.査定依頼
物件の価値を調べるため、机上査定と呼ばれる簡易的な査定を依頼し、売却金額と家賃の概算を確認します。
3.本査定(訪問査定)
不動産会社の担当者や鑑定士が現地を訪問し、物件の状態や価値を詳細に調査します。
4.保証会社の審査
賃貸保証会社による審査を受け、契約の適格性を確認します。
5.契約条件の提示
売買金額、家賃、契約種類、買戻し特約などの具体的な条件を擦り合わせます。
6.売買契約と賃貸借契約の締結
売却と賃貸の両方の契約を並行して進め、正式に契約を結びます。
7.物件の引き渡しと所有権移転
物件の引渡日に所有権が移転し、売却代金が支払われます。
8.賃貸借契約の開始
所有権移転後、借主として賃貸借契約が開始されます。
9.賃料支払いの開始
契約に従い、毎月の家賃を支払いながら、これまでの自宅に住み続けます。
リースバックを検討する際の注意点
リースバックを利用する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
・家賃の支払いが必要となるため、長期的な資金計画を立てましょう。家賃滞納は強制退去の原因となる可能性があります。
・賃貸期間に制限があるケースが多いので、契約内容をよく確認してください。
・買い戻し条件(時期や価格)を事前に明確にし、契約書に明記しておくことが重要です。
・物件を購入する会社や個人の信用力と資力を調査しましょう。
・修繕費の負担についても事前に取り決めておくことで、トラブルを回避できます。
上記の点に注意を払うことで、リースバックのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
リースバックで住まいを守りながら新たな生活のスタートを
住宅ローンの返済が難しくても、リースバックを活用すれば自宅を手放さずに住み続けることができます。売却後に賃貸契約を結ぶことで、まとまった資金を確保しながら引っ越しの負担を回避できるのが大きなメリットです。リースバックを検討する際は、信頼できる不動産会社と契約条件をしっかり確認し、安心して新たなスタートを切りましょう。
リースバックならリスタートにご相談ください
リースバックは、物件をリスタートが直接買い取り、そのまま貸し出すため、家賃保証会社も保証人も不要です。そのため、ご家族の理解や援助を受けにくい場合や、たとえブラックリストに載ってしまっていてもリースバックを利用できます。
また、行政機関や金融機関などの関係者との話し合いはすべてリスタートの代表の峯元が代行します。
どうか一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。