住宅ローンの支払いが家計を圧迫する場合、適切な方法で見直しを行うことで、負担を軽減できる可能性があります。この記事では、リスケジュール、金利見直し、繰り上げ返済など、支払いを減額する5つの具体的な方法を深掘り。それぞれのメリットや注意点をわかりやすく解説します。家計改善のヒントとして、ぜひ参考にしてください。

リスタート株式会社 代表取締役 峯元 竜
建設業個人事業主を7年経営後、不動産業を12年間経験。2017年の独立開業後、事業の負債を抱えながら働きつつ 副業を掛け持ちしていた経験をもとに、依頼者目線で課題解決に取り組む。
任意売却やリースバックを通じて、一人でも多くの依頼者が安心して新しい生活をスタートできるよう支援。また独自のネットワークを活かし、複雑な金融機関との交渉や、迅速な売却サポートにも強みを持つ。
住宅ローン支払い減額の具体的な方法5選
住宅ローンの支払いが家計を圧迫する場合、適切な方法で見直しを行えば負担を軽減できる可能性があります。以下では、住宅ローンの支払いを減らすための具体的な方法を5つ解説します。
住宅ローンのリスケジュール(返済条件変更)
リスケジュールには、主に以下の2つの選択肢があります。
元金据え置き(利息のみ支払い)
一定期間、元金部分の返済を一時的に停止し、利息のみを支払う方法です。
毎月の支払いが減り、家計に余裕が生まれますが、注意点として、元金部分の返済が止まる分、全体の返済期間が延びる傾向にあります。結果的に、支払う利息の総額が増えるため、短期間での利用を前提にするのが望ましい方法といえます。
金融機関によって据え置き期間は異なりますが、一般的には1〜2年が目安です。一部では3年以上の対応が可能な場合もありますが、据え置き後に返済が増えるため、事前に十分なシミュレーションを行うことが重要です。
返済期間の延長
既存のローン期間を延長することで、月々の返済額を抑える方法です。
家計が厳しい状況でも負担が軽くなるため、短期的な改善策として活用できます。しかし、返済期間が長引くことで、総返済額は増加します。また、完済時の年齢が上がるため、高齢時に返済が続くリスクを考慮する必要があります。
適用条件や対応事例として、金融機関は収入減少や家計の悪化といった理由を考慮します。手続きに際しては、早めに相談することが重要です。
以下の記事ではリスケジュールについて、更に詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
住宅ローン返済は条件次第で待ってもらえる!リスケジュール手続きガイド
金利タイプの見直し
住宅ローンには固定金利と変動金利があります。それぞれ特徴が異なるため、金利タイプを見直すことで支払い額を減らせる場合があります。
・固定金利:返済期間中の金利が一定であるため、将来の金利変動に影響を受けません。
・変動金利:市場金利に応じて金利が上下するため、低金利時には返済額を抑えられる可能性がありますが、金利上昇時には負担が増えるリスクがあります。
現在の金利情勢や将来の収支計画を考慮し、固定金利から変動金利へ切り替えることで、毎月の支払いを減らせるケースがあります。ただし、変動金利は金利上昇のリスクも伴うため、慎重な検討が必要です。
金利引き下げ交渉
現在のローンの金利が高い場合、金融機関に金利引き下げを交渉する方法もあります。特に契約期間が長いほど、金利引き下げによる総返済額の削減効果が大きくなります。
交渉の際には、同条件での他行のローン商品や金利条件をリサーチしておくと、説得材料になります。過去には、他行での借り換えを視野に入れて交渉を行った結果、金利を引き下げてもらえた事例もあります。
申請は、担当の窓口に相談し、必要書類を準備して進めます。金融機関によっては引き下げに対応していない場合もあるため、事前に条件を確認しておくことがポイントです。
繰り上げ返済の計画
繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済には「元金均等返済」と「利息軽減型返済」があります。元金均等返済は元金部分を一括で減らす方法で、総返済額を抑える効果が期待できます。利息軽減型返済は、元金部分を減らしつつ毎月の返済額を引き下げる方法です。
例えば、少額の返済でも利息軽減型を選ぶと、月々の支払い負担を軽減できます。一方で元金均等返済を選ぶと、総利息を減らし、早期に返済を終えられる可能性があります。
計画的な繰り上げ返済のコツ
繰り上げ返済を計画的に行うためには、返済額を家計に無理のない範囲で設定することが重要です。また、予期せぬ出費に備えるため、緊急時に使える予備資金を手元に残しておくことも欠かせません。
家計が安定しているタイミングや、ボーナス収入などで余裕がある場合に繰り上げ返済を活用することで、効果的な負担軽減が可能です。
保証会社への条件交渉
住宅ローンの支払いが厳しい場合、保証会社との交渉によって負担を軽減できる可能性があります。保証会社は借入人が返済不能に陥った際に金融機関に代わって返済を行う機関であり、住宅ローンの契約時に利用されることが一般的です。
保証会社の役割と交渉のポイント
保証会社は、住宅ローン契約時に金融機関の代わりに返済を保証する役割を持っています。このため、保証会社に直接交渉することで、住宅ローンの負担軽減が図れるケースもあります。例えば、以下のような方法があります。
- 保証料負担軽減の交渉
毎月または一括で支払う保証料を見直すことを提案できます。過去には、収入の減少や家計の悪化を理由に保証料の一部軽減が認められた事例もあります。 - 特別支援プログラムの活用
一部の保証会社では、元金返済を一時的に免除し、利息のみの支払いに切り替える特別支援プログラムを提供している場合があります。こうした支援を利用することで、月々の支払額を大幅に減らせる可能性があります。ただし、これにより返済期間や総支払額が増加する点には注意が必要です。
ローン借り換えの検討
住宅ローンの借り換えは、金利が低い他行のローンに切り替えることで、月々の支払い額や総返済額を減らせる手段です。ただし、借り換えには手続きや諸費用が発生するため、メリットとデメリットを把握した上で検討する必要があります。
借り換えのメリットとデメリット
- メリット
他行の金利が現在のローンより低い場合、利息負担を減らせます。金利が1%下がるだけでも、数十万円から100万円以上の利息を抑えられる可能性があります。また、返済期間を延長することで月々の支払い額をさらに軽減することも可能です。 - デメリット
手数料や保証料、登記費用などの諸費用が新たに発生します。借り換えのメリットが諸費用を上回る場合にのみ、借り換えを行うべきです。
例えば、現在のローン残高が1,000万円以上で、残りの返済期間が10年以上あり、かつ借り換え後の金利が1%以上低い場合に借り換えが適していることが多いです。
借り換えが適しているケース
借り換えを検討する際は、以下のような状況であると有効です。
- 現在の金利が高い場合
例えば、固定金利で3%以上の契約をしている場合、1%前後の変動金利に切り替えることで支払い負担を軽減できます。 - 返済期間が長い場合
残りの返済期間が長いほど、借り換えによる利息軽減効果が大きくなります。 - 借り換え時の条件に適合している場合
返済実績が良好で、信用情報に問題がないことが必要です。延滞歴がないことが重要視されます。
また、借り換えを検討する際は、事前に支払い計画を立てることが大切です。月々の支払い額と総返済額をシミュレーションし、新しいローンの条件と比較しましょう。
生活の安定を図るためにも、早めの相談を
住宅ローンの支払いが家計を圧迫する場合、適切な方法で見直せば負担を軽減できます。本記事では5つの具体策を解説しました。それぞれのメリットや注意点を把握し、自分に合った方法を検討してみましょう。
住宅ローンの返済に困ったとき、早めに専門家へ相談することで解決策が見つかります。リスタートでは、任意売却やリースバックを通じて、皆様の住宅ローンに関する不安を解決しています。遠方の方には訪問サポートもあり、悩みを抱える一人ひとりに丁寧に対応します。まずはお気軽にご相談ください。