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老後破産とは?原因や実態、老後破産しないためにやるべきことを解説

 

目次

 

 

現代では、定年後に破産状態に陥る「老後破産」の件数が増えてきています。では、老後破産はなぜ起きてしまうのでしょうか。また、どうすれば老後破産を防げるのでしょうか。

本記事では、老後破産の原因や対策をメインに解説します。老後破産を防ぎたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

老後破産とは定年退職後に破産状態に陥ること

老後破産とは、定年退職してその後年金生活を送っていくなかで破産状態となることです。老後破産件数は増加傾向にあり、現役会社員やある程度貯蓄がある人にとっても、他人事ではありません。

日本の老後破産の実態

日本の老後破産の実態ですが、件数は年々増えてきています。40歳以上の自己破産率は増加傾向にあり、破産者のうち25%が60歳以上であるという深刻な状態です。

参照元:ナビナビ保険

日本の不況だけではなく、生活費を計画的に準備できていない高齢者が多いことも、老後破産が一向に減らない原因として考えられます。

老後破産はなぜ起きる?5つの原因

では、老後破産はなぜ起きてしまうのでしょうか。以下のような原因が考えられます。

  1. 収入が減っても急に生活レベルを落とせないため
  2. 住宅ローンの返済で生活費が圧迫されるため
  3. 退職金額が想定よりも少なかったため
  4. 子供の教育費の負担がまだ残っているため
  5. 医療費・介護費が高額になるため

以下の見出しでは、上記のそれぞれの原因について解説します。

1.収入が減っても急に生活レベルを落とせないため

会社員の年収は4050代にかけてピークとなり、定年間際に近づくにつれて下がることが多いです。

そして定年退職後に年金で生活する場合は、会社員のピーク時よりも収入は大幅に減少します。そのため、本来であれば収入の減少にともない、生活費も下げないと毎月の収支は赤字になってしまいます。

しかし実際には、急に生活レベルを落とすことは簡単ではありません。それが原因で、収入に見合わない生活費を毎月負担することになり、貯蓄を切り崩す必要が出てきます。

その段階で問題に気づき、何らかの対策を講じられればよいのですが、それができないといつの間にか貯蓄が底をついて自己破産に追い込まれてしまうのです。

2.住宅ローンの返済で生活費が圧迫されるため

現代では、初婚年齢が遅くなる「晩婚化」が進んでいます。それゆえ、家族で住むマイホームの購入タイミングも遅くなる傾向があります。

マイホーム購入時期が遅くなれば、それだけ住宅ローン完済時の年齢も高齢となるのが通常です。したがって、定年後も住宅ローンの返済を続けるケースも増えています。

しかし定年後は収入が大幅に減少するのに対して、住宅ローンの返済額は変わらないため、返済負担率が上昇して生活が苦しくなってしまうのです。

また、たとえ退職金で住宅ローンを完済できたとしても、退職金を老後の生活費に回す余裕はなくなってしまいます。その結果、十分な貯蓄を用意できていない家庭は、老後破産に追い込まれてしまうのです。

ちなみに持ち家がない世帯であっても、毎月家賃を負担する必要があります。そのため、より家賃の安い家に引っ越すなどの対策を講じなければ、老後破産に追い込まれる可能性が高まります。

3.退職金額が想定よりも少なかったため

住宅ローンの返済や子の教育費の原資として、退職金をあてにするケースがあります。この場合でも、想定どおりの額の退職金をもらえれば問題ありませんが、何らかの事情によって退職金が減額された場合は窮地に追い込まれてしまうでしょう。

退職金は、不況や会社の業績悪化などの要因により、将来減額される可能性があります。さらには、退職金制度自体は必須とされていないため、退職金が支給されなくなる可能性もあります。

したがって、退職金をもらう前提で資金計画を立てていると、老後破産に追い込まれるリスクは高まるでしょう。

4.子供の教育費の負担がまだ残っているため

晩婚化の進行によって、定年退職時点で子供がまだ高校生や大学生であるケースも増えてきています。このような場合は、定年退職以降も高額な教育費を負担し続けることになります。そしてこの教育費が家庭を圧迫し、結果的に老後破産することになる可能性があるのです。

5.医療費・介護費が高額になるため

一般的に、高齢者になるほど健康リスクが上昇するとされています。よって医療費の総額は、定年退職を迎えてからほうが高額になる可能性は高いです。そして医療費負担に耐えられず、老後破産に至ってしまうケースも想定されます。

また高齢者によっては、高齢者施設へ入居するために高額な費用を負担することになります。特に現代では、高齢者が高齢の配偶者を介護する「老老介護」が問題となっており、介護のために仕事を辞めなければならない「介護離職」も問題となっています。介護負担を回避するために高齢者施設への入居を希望する人が増えているようです。

さらには平均寿命が延びているため、将来発生する介護費用はより高額になり、生活費を大きく圧迫してしまうでしょう。

老後破産を防ぐための5つの対策

老後破産を防ぐためのおもな対策は、以下の5つです。

  1. 貯金を多めに用意しておく
  2. 定年後の収入減を見越して生活レベルを下げておく
  3. 退職する年齢を引き上げる
  4. 住宅の任意売却やリースバックなどを検討する
  5. 健康に気を遣う

以下の見出しでは、上記それぞれの対策について解説します。

1.老後のお金の計画をきちんと立てておく

定年退職を迎えるまでに、貯金はなるべく多く用意しておきましょう。定年退職後は年金で生活費を賄うことが多いですが、年金だけで満足できるような水準の生活を送ることは難しいです。そのため、定年退職までの蓄えていた貯金を切り崩しながら生活することになります。

老後に必要な資金は2,000万円とよくいわれますが、実際に必要な金額は家庭によって異なります。

なぜなら世帯構成や生活水準、住宅ローン残債の有無など、さまざまな要因によって老後の必要資金は変わってくるためです。そのため、自分自身の場合は老後いくら必要なのか、まずは資金計画を立ててみるのが大事です。もし自身で資金計画を立てるのが難しい場合は、FP等の専門家に相談すると良いでしょう。

貯金を増やす方法には、副業や資産運用などが挙げられます。

銀行に預けているだけではほとんど利息がつかないため、リスク許容度に応じて資産運用したほうが、効率よく貯金を増やせるでしょう。

2.定年後の収入減を見越して生活レベルを下げておく

老後破産の原因として、収入に見合わない水準での生活を続けてしまうことが上げられるため、定年前から徐々に生活レベルを落としていくと老後破産のリスクを抑えられます。

特に国民年金しか支給されない自営業の人などは、老後までに生活水準を大幅に下げておかないと、すぐに貯金が尽きてしまうでしょう。

生活費を下げるには、まず固定費から見直すのがおすすめです。固定費には、住居費や水道光熱費、通信費などが挙げられます。特に見直しの余地が見られやすい固定費は、おもに以下のとおりです。

スマートフォン料金

● 利用頻度の低いサブスクリプションサービス

● 不必要な保険

まずは削減しても生活に支障の出ない固定費から見直しましょう。それでも生活水準が目標レベルまで下がり切らない場合は、FPなどお金のプロに相談してみると、よい解決策が見つかりやすくなります。

3.退職する年齢を引き上げる

定年退職の年齢引き上げも、老後破産への有効な対策です。実際に現代では、定年の引き上げを実施する企業が増えてきており、より長く働き続けやすい環境が整いつつあります。

定年退職の年齢を引き上げることで、まずその分収入が増えます。収入が増えれば、その分貯蓄を切り崩さずに生活できるようになるでしょう。

また定年退職年齢の引き上げによって、年金支給額も増やせます。老齢年金には「繰り下げ受給」という制度があり、受給を遅らせた月数×0.7%が支給額に加算されるためです。繰り下げ受給は最高75歳まで老齢年金受給時期を遅らせることができ、この場合は最大84%も支給額がアップします。

定年退職年齢引き上げにはこのようなメリットがあるため、元気なうちはなるべく働くとよいです。仮に健康上の都合などでフルタイム勤務が難しい場合は、アルバイトでもよいでしょう。

4.住宅の任意売却やリースバックを検討する

自宅の住宅ローン返済で生活が苦しくなりそうな場合は、以下の対策を検討するのがおすすめです。

● 任意売却

● リースバック

● リバースモーゲージ

以下の見出しでは、上記それぞれの対策について解説します。

任意売却

任意売却とは、債権者や保証人との同意を得たうえで、抵当権を解除して自宅を売却することです。任意売却では不動産の専門家が立ち会うため、市場価格に近い値段での売却が期待できます。

リースバック

リースバックとは、自宅を業者に売却し、その後に賃貸借契約を結んで今の家に住み直すことです。

リースバックのメリットは、生活環境を変えずに済むこと、すぐにまとまった資金を手に入れられることです。リースバックについては、下記の記事で詳しく解説しているため、気になる人はあわせてご覧ください。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして金融機関から融資を受ける制度で、今の家に住み続けることができます。

またリバースモーゲージでは、契約者が亡くなられた際は、自宅を売却して借りた額を返済するか、相続人が代わりに返済して家の所有を続けるか等の清算をします。老後の生活費を確保する手段の一つとして最近注目されています。

5.健康に気を遣う

老後生活では、病気やケガにより医療費が増える傾向にあります。早い段階から健康に気を使うことで、老後の医療費負担を抑えることができます。

例えば、バランスの良い食事や十分な睡眠をとったり、適度な運動を習慣的におこなったりしていくことで、健康を維持でき、健康寿命が延びていきます。

まとめ

老後破産は定年退職後に破産することで、生活レベルを落とせないことや住宅ローン返済が負担になり、支出が収入を大きく上回り続けることで起きてしまいます。老後破産を回避するには、きちんと資金計画を立て、収入や資産を増やし、支出を抑えることが大事です。老後破産を防ぐためにも、今からできることはやっておきましょう。


 
記事の監修者:松浦 建二  

CFP®認定者・ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士   青山学院大学卒、ミサワホームで戸建てやアパートの営業を経験後、アイエヌジー(現エヌエヌ)生命保険へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。

2002年にファイナンシャルプランナーとして独立し、主に個人のライフプランや生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っているほか、FPに関する執筆や講演も多数行っている。

オールアバウトマネーガイド。青山学院大学非常勤講師。