ゴミ屋敷売却について|そのまま売る方法や不動産買取業者の査定

目次
「ゴミ屋敷を相続したけど、持っていてもよいことはないから早く売却したい」
「ゴミ屋敷を売りたいけど、片付けは面倒だし、買手が見つかるか不安」
何かの事情がきっかけでゴミ屋敷を取得した人のなかには、このような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。結論からいうと、ゴミ屋敷をそのまま買い取ってくれる相手は見つかります。
本記事では、ゴミ屋敷を片づけずそのまま売却する方法やメリット、高値で買い取ってくれる業者選びのコツを解説します。ゴミ屋敷を早く手放して、できれば大きなお金を手にしたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。
ゴミ屋敷を片付けずそのまま売却する方法
ゴミ屋敷を片付けずそのまま売却する方法は、以下の2つです。
- 事故物件専門買取業者に売却する
- 不動産仲介業者にゴミ屋敷を買いたい人を見つけてもらう
以下の見出しでは、上記の方法それぞれについて解説します。
事故物件専門買取業者に売却する
事故物件専門買取業者であれば、ゴミ屋敷をそのまま買い取ってくれます。なぜなら、ゴミの処分やリフォームによって、ゴミ屋敷を使える状態にしてから活用することを目的としているためです。よって、売主がゴミを処分する必要がありません。
また、ゴミ処分にかかる費用も事故物件専門買い取り業者が負担してくれるため(買取価格は下がります)、売主はゴミ処分費用を用意する必要がありません。そのうえ、売却代金を一括で受け取れるため、手間はほとんどかかりません。
不動産仲介業者にゴミ屋敷を買いたい人を見つけてもらう
ゴミ屋敷は通常の不動産と同じように、不動産業者を仲介して買手を探すことも一応できます。しかし、実際に売却まで結びつけることは非常に難しいです。
まず、ゴミ屋敷を買いたいと思う買手はほとんどいません。単純に不衛生であるうえに、購入後もゴミの処理費用やリフォーム代を負担することになるためです。
仮に買主が見つかるとしても、それまでにかかる期間は通常の物件よりも長くなってしまうので、可能なら売主が一時的に負担してでもゴミの処分とリフォームを行い、買ってもらいやすくする方が良いでしょう。
事故物件買取業者のほうがおすすめ!その理由は2つ
ゴミ屋敷を片付けずに売却するなら、不動産仲介業者よりも事故物件買取業者に依頼するのがおすすめです。その理由は、おもに以下の3つです。
- ゴミ屋敷売却までの期間が1週間~1ヶ月程度と短い
- ゴミ屋敷売却後は責任を一切負わずに済む
以下の見出しでは、上記それぞれの理由について解説します。
1.ゴミ屋敷売却までの期間が1週間~1ヶ月程度と短い
不動産仲介業者に依頼する場合、ゴミ屋敷が売れるまでには相当な期間がかかりますし、そもそも売れない可能性のほうが高いです。
一方で事故物件専門買取業者の場合、買取契約の合意を得られれば、1週間~1ヶ月程度で売買契約を結んで買い取ってもらえます。そのため、買主を探す手間がかかりません。
また、短期間でゴミ屋敷を手放せるため、維持費の負担も抑えられます。特に1月1日が迫っている場合、固定資産税がかからないように早く買い取ってもらうことも可能です。
2.ゴミ屋敷売却後は責任を一切負わずに済む
事故物件専門買取業者であれば、ゴミ屋敷売却後の責任から逃れられます。
不動産を売却する際は、通常「契約不適合責任」が売主に課せられます。契約不適合責任とは、シロアリ被害など不動産引き渡し後に判明した不備が見つかった際に、損失額の補填や不備の解消など売主が負うことを義務付けられている責任のことです。
契約不適合責任が設けられているのは、不動産に関して素人である買主が契約前にすべての不備を見つけることは困難であり、このような買主は保護すべきだと考えられているためです。
とはいえゴミ屋敷に関しては、売主も物件の不備をすべて把握することは簡単ではありません。したがって、契約不適合責任による損失補償のリスクは大きいです。
しかし、事故物件専門買取業者にゴミ屋敷を買い取ってもらえば、特約によって売主の契約不適合責任は免除されます。ただし、なかに売主の契約不適合責任を免除しない事故物件専門買取業者もあるため、売却前に必ず確認しましょう。
ゴミ屋敷をそのまま売却する2つのメリット
ゴミ屋敷をそのまま売却する2つのメリットは、おもに以下の2つです。
- ゴミ処分と清掃の手間がかからない
- ゴミ処分代を節約できる
以下の見出しでは、上記のそれぞれのメリットについて解説します。
1.ゴミ処分と清掃の手間がかからない
ゴミ屋敷を綺麗にしてから売却する場合、ゴミ処分や清掃に膨大な時間と労力を奪われます。また、汚物を扱う際は病気に感染するリスクがあります。
さらにシミや悪臭などの状態によっては、特殊な清掃方法でないと改善しないため、売主自身では対処できない可能性があります。
一方でゴミ屋敷をそのまま売却する場合は、上記いずれの手間もかかりません。そのうえ、ゴミ屋敷処分までにかかる時間を大幅短縮できるため、その分の家の維持費を節約できます。
2.ゴミ処分代を節約できる
ゴミ屋敷をそのまま売却することで、ゴミ処分代を節約できます。
ゴミ処分には、物件の規模や設備、汚損の状態によって数万~1,000万円程度の高額な費用がかかります。
例えば水回りのみなど部分的な処分であれば比較的安価で済みますが、建物全体をリフォームする場合は、1,000万円以上の費用がかかることも珍しくありません。また金額はそれほど大きくはない物の、自分で粗大ごみや家電を処分する場合は、処理手数料がかかります。
しかし、事故物件専門買取業者にゴミ屋敷買取を依頼することで、ゴミ処分やリフォームまですべて代行してくれます。ゴミ処分やリフォームにかかる代金まで負担しれくれますが、一方で建物の買取価格は低くなる可能性がある点には要注意です。
ゴミ屋敷を高価格で買い取ってくれる不動産買取業者を見つける5つのコツ
ゴミ屋敷を高価格で購入してくれる不動産買取業者を見つけるコツは、以下の5つです。
- 複数の業者に査定依頼して比較する
- ゴミ屋敷の買取実績が豊富であるか確認する
- 査定価格の根拠がわかりやすいか確認する
- 担当者の対応の正確さや迅速さを見る
- 弁護士や税理士などの専門家と連携しているか確かめる
以下の見出しでは、上記それぞれのコツについて解説します。
1.複数の業者に査定依頼して比較する
ゴミ屋敷買取業者を探す際は、必ず複数の業者に査定依頼しましょう。なぜなら、業者ごとにゴミ屋敷買取後の活用方法が異なり、査定価格にも違いが出るためです。目安としては、3社以上に査定依頼するのがおすすめです。
業者を選定する際は、査定額のみを基準とすることは避けましょう。高価格を提示する業者のなかには、悪質なものも存在します。可能であれば、査定額の根拠も明確に説明してもらうとよいでしょう。
2.ゴミ屋敷の買取実績が豊富であるか確認する
ゴミ屋敷買取業者選びでは、業者の買い取り実績を確認することも重要です。やはり実績豊富なゴミ屋敷買取業者のほうが安心して取引できるうえ、ゴミ屋敷運用のノウハウにも長けているため、高額で買い取ってくれる傾向があります。
一方で実績が掲載されていないゴミ屋敷買取業者は危険です。なぜなら、実際はゴミ屋敷買取に関するノウハウを有しておらず、それゆえ買取価格が大幅に下がる恐れがあるためです。また、そもそもゴミ屋敷の買取自体ができない可能性もあります。
ゴミ屋敷の売買実績は、業者のホームページで確認できます。買取実績や売買事例のページを参照し、実際にどのようなゴミ屋敷を買い取ってきたのか確認しましょう。
3.査定価格の根拠がわかりやすいか確認する
査定価格が出たら、必ずその根拠を説明してもらい、わかりやすさをチェックしましょう。
仮に明確な根拠をもとに査定している業者であれは、ゴミ屋敷の買取後の運用方法や、通常の状態に戻すまでにかかるコストまで細かく説明できます。また、比較的高価格でゴミ屋敷を買い取ってくれやすいです。
一方であいまいな根拠で査定する業者は、このような明確な説明はできず、かつ売却直前になって不当な値下げを要求してくることがあります。査定価格自体も「だいたい〇円くらい」という回答をしてくる業者は、信頼しないほうがよいでしょう。
4.担当者の対応の正確さや迅速さを見る
業者の担当者の対応も、やり取りのなかでよく見ましょう。ゴミ屋敷の売却が上手くいくかどうかは、担当者の対応の正確さや迅速さによっても左右されるためです。具体的には、以下のポイントに着目するとよいでしょう。
● 連絡から返事までにかかる時間
● 売主の希望に対するヒアリング力
● 質問に対する回答のわかりやすさ
● リスクも正直に明かしてくれるような信頼度
信頼できる担当者がいる業者のほうが、売却額の不当な値下げや時期の遅延などのリスクを防ぎやすいです。
5.弁護士や税理士などの専門家と連携しているか確かめる
業者が弁護士や税理士など、他の専門家と連携しているかどうかも、優良な業者選びでは重要なっポイントのひとつです。
なぜならゴミ屋敷の取得要因によっては、現在の名義や抵当権の設定など、複雑な権利問題が存在する可能性がるためです。
権利問題の解決には、専門家の力が必要です。しかし業者が専門家と連携していない場合、売主が専門家を探す必要があり、彼らへの報酬も別途負担することになります。したがって、自身の負担を抑えるためにも、弁護士や税理士などの専門家と連携している業者を選ぶとよいです。
まとめ
ゴミ屋敷は、事故物件専門買取業者に買い取ってもらうのがおすすめです。なぜなら、ゴミ処分やリフォームにかかる大きな手間を省けるためです。さらに、片付けやリフォームによる金銭的コストを削減できる点や、市場価格に近い値段で買い取ってもらえる可能性が高い点もメリットだといえます。
優良な業者選びについては、本記事で紹介した5つのポイントを参考にしてみてください。
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記事の監修者:松浦 建二 CFP®認定者・ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 青山学院大学卒、ミサワホームで戸建てやアパートの営業を経験後、アイエヌジー(現エヌエヌ)生命保険へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。 2002年にファイナンシャルプランナーとして独立し、主に個人のライフプランや生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っているほか、FPに関する執筆や講演も多数行っている。 オールアバウトマネーガイド。青山学院大学非常勤講師。 |
この記事の監修者

リスタート株式会社 代表取締役 峯元 竜
建設業個人事業主を7年経営後、不動産業を12年間経験。2017年の独立開業後、事業の負債を抱えながら働きつつ副業を掛け持ちしていた経験をもとに、依頼者目線で課題解決に取り組む。
任意売却やリースバックを通じて、一人でも多くの依頼者が安心して新しい生活をスタートできるよう支援。また独自のネットワークを活かし、複雑な金融機関との交渉や、迅速な売却サポートにも強みを持つ。