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執行官とは?裁判所から執行官が来たら危険?

 

目次

 

 

「執行官」はあまり聞きなれない職業かもしれませんが、現在債務を抱えており、将来財産を差し押さえられる可能性がある人にとっては関りのある人物です。執行官が来た際に何をすべきか理解していないと、いつの間にか家からの退去命令が出され、強制的に追い出される恐れがあります。

本記事では、執行官の仕事内容や権限、家に来たあとやるべきことについて解説します。また、おすすめの対処法としての「任意売却」について詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

執行官とは

執行官とは、裁判所職員の一種です。執行官には強い権限が与えられており、業務を妨げることはできません。以下の見出しでは、執行官についてよくある疑問について解説します。

執行官の読み方

執行官の読み方は「しっこうかん」です。「しぎょうかん」ではありません。

執行官の定義

執行官は「各地方裁判所に所属する裁判所職員」と定められています。執行官は各地方裁判所によって任命され、地方裁判所の監督を受けます。しかし、収入は国からの給与ではなく、遭担当した事件の当事者が収めた手数料です。

また執行官は、自身の判断で警察の援助を要請できるなど、強い権限を持っています。なぜなら執行官が立ち会う志向現場では、債務者などの抵抗によって業務妨害される恐れがあるためです。したがって、業務を滞りなく遂行するためにも、このような強い権限を与えられています。

執行官の仕事内容

執行官は、裁判の執行などの事務を仕事としています。具体的には、債務者の現地調査や、差し押さえ財産競売に際する手続、執行裁判所の補助機関としての職務が挙げられます。

執行官は、仕事を遂行するにあたって必要な強い権限を付与されています。例えば、強制退去を命じられた人が退去しない場合に、家から家具や財産などを運び出して強制的に追い出すことも可能です。

また、借金を滞納している債務者の財産を差し押さえて、それらの売却益を債権者に渡すことも認められています。

ほかにも、不動産の競売が決まった際に現地調査したり、民事訴訟の裁判関係文書を当事者等に届けたりすることも、執行官の職務に含まれます。

執行官の権限

執行官には、職務遂行のための強い権限が与えられています。具体的には、大きく以下の2つがあります。

  1. 家の現況調査権
  2. 裁判の強制執行権

以下の見出しでは、上記の権限について解説します。

1.家の現況調査権

家の現況調査権は、競売を申し立てられた物件を調査する権利です。現況調査では、おもに以下の項目がチェックされます。

どのような人が住んでいるのか

● 家の所有者名義、権利関係はどのようになっているか

● 家の中や外構はどのような状況になっているか

● どのくらいの価格で売却できそうか

執行官は上記の項目を調べるために、測量や写真撮影、近隣住民への聞き込み調査などを実施します。債務者は家の現況調査を拒めず、また自身が不在の間に勝手に調査を進められても、異議申し立てなどはできません。

そして実際に競売が実施され、買手が見つかり所有権の移転まで行ったものの、債務者が家を明け渡さない(不法占拠)ケースがあります。しかし執行官は、そのような場合でも債務者を無理やり追い出すことが可能です。要するに、債務者は執行官に原則逆らえません。

2.裁判の強制執行権

裁判の強制執行権とは、裁判の判決が実現されない場合に、判決内容を強制的に実行する権限のことです。

例えば、競売にかけられた家に不法占拠し続ける債務者を追い出したり、貴金属や家財などの動産を差し押さえて売却したりできます。

また債務者による妨害行為が行われた際は、自身の判断で警察に協力を求めることも可能です。

執行官が裁判所からやってくる原因

執行官が裁判所からやってくるのは、裁判の判決内容を実行するためです。仮に住宅の差し押さえが命じられた際は、物件の売買価格を把握するために現況調査にやってきます。また、家の明け渡しを命じられた債務者が退去しない場合は、強制退去させに来ます。

つまり借金の滞納や、その後の債務者の不誠実な対応により、執行官は現地へ赴く必要が出てくるのです。言い換えれば、借金の滞納や裁判所からの命令の無視などをしなければ、執行官が自宅にやってくることはありません。

裁判所から執行官が家に来たら危険?

「裁判所から執行官が家に来たら危険か」という疑問についてですが、結論からいうと危険です。なぜなら、財産の差し押さえが実行されるというサインであるためです。したがって、執行官が自宅を訪問してきたら、後述する任意売却などの対策を早急に実行する必要があります。

差し押さえ財産の競売まで36ヵ月しかないというサイン

差し押さえ財産の競売は、執行官が来てから36ヶ月程度で実行されます。つまり、それまでに家を任意売却したり、新たな家を探したりする必要があるということです。特に任意売却を選択する人にとっては、買主を探せる期間が残り少ないというサインでもあります。

ただし家の状況によっては、現況調査とその評価に時間がかかる可能性があります。そのような場合は、競売までの期間は多少延びるでしょう。

何もしなければそのまま競売が実行される

裁判所から執行官が家に来て、そのまま何もしなかった場合、裁判所の判決どおりに差し押さえ財産の競売が実行されます。

差し押さえの対象となるのは家などの不動産だけではなく、車や貴金属などの動産も対象となるため、そのまま資産の多くを失います。

裁判所から家に執行官が来たあとの流れ

裁判所から家に執行官が来たあとは、以下の流れで差し押さえ財産の競売実行に向けて手続が進められます。

  1. 不動産鑑定士とともに家の測量や写真撮影などを行う
  2. 裁判所によって家の情報が開示される
  3. 任意売却しなければ家を競売にかけられる

以下の見出しでは、それぞれの内容について解説します。

不動産鑑定士とともに家の測量や写真撮影などを行う

執行官は不動産の現況調査の際、一人ではなく不動産鑑定士とともにやってきます。なぜなら、執行官はあくまで裁判所職員であり、不動産のプロではないためです。よって、不動産の適正な競売価格を把握するために、不動産鑑定士を連れてきます。

執行官と不動産鑑定士は、指定日時に自宅へ訪れます。その際家主がいない場合は、執行官が開錠して調査を実施します。現況調査では、家の測量や写真撮影、室内や外観の目視などを行います。

また土地の境界を明確にする必要があるため、隣地の住民への聞き込み調査も実施します。ほかにも、家の状況や債務者の情報について調べるため、近隣住民へヒアリングすることもあります。

したがって、現地調査が行われることで、周りに差し押さえの事実を知られてしまう可能性が高いです。

この現況調査は、当然拒否できません。仮に妨害しようとした場合は、公務執行妨害の罪に問われるリスクがあります。

裁判所によって家の情報が開示される

現況調査と家の価格査定が完了したら、不動産を探している投資家などを募るために、裁判所によって家の情報が開示されます。家の情報開示が行われると、不動産業者や個人投資家が訪問し、物件の観察や住人自身への聞き込みなどが実施されるようになります。そのため、大きなストレスに晒されることも珍しくありません。

任意売却しなければ家を競売にかけられる

家の情報が開示されたら、家の競売が始まります。買主が見つかった際は家を明け渡すことになるため、それまでに新居を見つけておく必要があります。競売が始まった場合は、原則解除できないため、債権者である金融機関などに連絡したとしてもどうにもなりません。

しかし、家を任意売却すれば競売を避けられます。ただし執行官が家に来ている時点で、競売まで36ヶ月しかないとわかるため、任意売却手続は早急に行わなければなりません。

競売を避けるための任意売却について

任意売却とは、債権者や保証人との合意により、抵当権を解除して自宅を売却することです。任意売却には競売にはないメリットが多くあるため、ぜひ検討してみましょう。以下の見出しでは、任意売却について詳しく解説します。

競売と任意売却の違い

まず競売は、裁判所の判決によって強制的に家を売却されることです。一方で任意売却は「任意」という言葉のとおり、自身で選択することになります。競売と任意売却の具体的な違いは、以下の表のとおりです。

【競売と任意売却の違い】

 

競売

任意売却

売却方法

裁判所によるオークションスタイル

一般の不動産と同様

売却価格

市場価格より低くなる傾向がある

市場価格に近い価格で売却しやすい

プライバシー

守られにくい

守られやすい

まず売却方法ですが、競売の場合はオークション形式で購入者を決めます。一方任意売却の場合は、通常の不動産と同様に自身で買手を探したり、不動産業者に仲介してもらったりします。

売却価格については、競売の場合は相場より安くなる傾向があります。しかし任意売却では、専門家に依頼して立地や物件の状態を適性に判断してもらうことで、市場価格に近い値段で買手を見つけやすくなります。

そしてプライバシーに関してですが、競売の場合は自宅の情報が裁判所によって公開されるため、守るのは難しいです。反対に任意売却では、通常の不動産売却と変わらない活動をするため、プライバシー面での不安は基本的にありません。

任意売却のメリット

任意売却のメリットの1つ目は、納得のいく売却価格で販売しやすいことです。競売とは異なり、自身で買主を決められるため、希望に近い価格で買い取ってくれる人が見つかるまで売却活動を続けられます。

ただし、すでに執行官が家に来ている場合は時間がないため、急いで買主を探す必要があります。

メリットの2つ目は、無理のない返済計画を立てやすいことです。任意売却では債権者から合意を得る際、その後の返済計画の見直しも同時に行うことになるため、無理のないペースでの返済を続けやすいです。また抵当権も解除されるため、急に住まいを失う心配もありません。

任意売却のコツ

任意売却を成功させるコツは、おもに以下の3つです。

1つ目は、どの依頼先が相応しいかよく比較検討することです。そもそも任意売却の依頼先委は、任意売却専門業者、不動産会社、弁護士の3パターンがあります。それぞれ異なる強みを持つため、直接相談に行くなどして判断材料を集めるとよいでしょう。

2つ目は、1日でも早く行動することです。任意売却へ向けての遅れるごとに、売却活動できる期間が短くなり、納得のいく価格での売却が難しくなっていきます。特に執行官がすでに来ている場合、残り期間が短いため早急に動きましょう。

3つ目は、市場価格より安すぎる値段で家を売却しないことです。売却価格が安すぎると、結局その後のローン返済で困ることになります。そうなっては本末転倒であるため、家の価格は適性に査定してもらってから売却しましょう。

まとめ

執行官は地方裁判所の職員であり、債務者の家の現況調査や不法占拠者の追い出しなどを仕事としています。強い権限を与えられているため、執行官の業務を妨害すると罪に問われる危険性があります。執行官が家に来た時点で、競売までの期間が残り少ないとわかるため、任意売却などの対策を早急に検討しましょう。