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リースバックとは?デメリット・メリット・やばいといわれる理由を解説

 

目次

 

 

ローンの返済や、住まいの住み替えにかかる費用で困ったときに役立つ資金調達方法として「リースバック」があります。リースバックは確かに多くのメリットがありますが、一方で大きなデメリットもいくつか存在するため、双方を比較したうえで利用を検討しないと後悔することになる恐れがあります。

本記事では、リースバックの概要やメリット、デメリットをわかりやすく説明します。また「リースバックはやばい」といわれる理由にも触れます。リースバックを検討している人は、後悔のない選択ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。

リースバックとは自宅を売却した後に借りて住み続けること

リースバックは自宅を事業者へ売却し、その後に賃貸契約を結び、もとの家に住み続ける取引形態です。おもに、不動産会社やファイナンス会社が実施しています。

またリースバックは「セール&リースバック」とも呼ばれ、これらはまったく同じ意味を持ちます。契約の種類によっては、売却した家を後で買い戻すことも可能です。

以下の見出しでは、リースバックの目的や、不動産担保ローン・リバースモーゲージとの違いについて解説します。

リースバックの目的

リースバックで得た売却資金の用途は、原則自由です。

そのため、ニーズに応じてさまざまな使い道を選べます。売却資金の主な用途は、以下の4つです。

  1. 住宅ローンの返済
  2. 住み替え対策
  3. 老後資金の確保
  4. 相続対策

以下の見出しでは、それぞれについて掘り下げます。

住宅ローンの返済

収入の減少や急な多額の出費などが原因で、住宅ローンの返済を継続することが困難になケースがあります。しかし、リースバックによって得た売却益でローン残債を完済することで、一時的に資金難を乗り越えられます。

一方リースバック後は、賃貸契約によって毎月家賃が発生するため、こちらの支払いも問題なく継続できるかあらかじめ検討しておきましょう。

住み替え対策

今の自宅を売却して新しい家に住み替えたい場合、仮住まいの賃料など住み替えにかかる費用を一時的に賄う必要があります。

ところが、リースバックによって資金調達することで、住み替えに必要な資金のカバーも可能です。さらにリースバックであれば、引っ越しの準備が整うまでは今の自宅に住み続けられるため、仮住まいを探して引っ越す手間も省けます。

老後資金の確保

マイホームは保有しているものの、老後まで続く住宅ローン返済や、定年退職後の生活費に不安を抱く人もなかにはいます。しかし、リースバックによる売却益を得ることで、これらのような不安を解消できるケースがあります。

相続対策

リースバックには、相続対策にも役立つという利点があります。なぜなら、不動産のままの状態だと分割の際に揉めてしまいがちですが、家を売却して現金化することで均等な分配が容易となるためです。

不動産担保ローンとの違い

不動産担保ローンは、自宅や土地といったの動産を担保として銀行などの金融機関に提供し、その評価額を元に算出された金額を融資してもらう資金調達方法です。

融資を受けた後は、金融機関に対して毎月元本と利息を返済します。万が一返済が困難となった場合は、担保である不動産は売却され、その売却益が残債の返済に充てられます。

不動産担保ローンは、自宅に住みながら資金調達できる点ではリースバックと同じですが、不動産の所有権者に違いがあります。

不動産担保ローン:家に住んでいる者のまま

リースバック:リースバック業者に移転する

上記のような違いが生じるのは、不動産担保ローンではあくまで担保として自宅を提供するのみであるのに対して、リースバックでは業者に売却するためです。

リースバックは得かといえるかどうかは、状況によって異なるため、それぞれの特徴を比較検討したうえで選択しましょう。

リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージは、自宅を担保として融資を受ける資金調達方法です。契約中の返済は、基本的に利息分のみです。

また借入人が死亡した場合は、自宅が売却されて売却益が残債の返済に充てられるため、主に高齢者から人気があります。

ただし、リースバックの売却益の用途が原則自由であるのに対して、リバースモーゲージの融資は用途が制限されているため要注意です。

またリバースモーゲージは、抵当権が設定されていない不動産のみが対象となるのに対し、リースバックでは自宅の抵当権設定の有無が問われないという違いがあります。

そして、リバースモーゲージは主に55〜80歳の利用者を対象としている一方で、リースバックは成人であれば誰でも利用できる点でも異なります。

とはいえ、今の自宅に住み続けたまま資金調達できる点は、リバースモーゲージもリースバックも同様です。

リースバックのデメリット・問題点

リースバックは、自宅を活用して資金調達できる便利な仕組みですが、一方でおもに以下3つのデメリットがあります。

売却価格は市場価格より安くなりやすい

● 毎月の家賃が発生する

● 契約内容によって何年住めるか決まっている

以下の見出しでは、上記それぞれのデメリットについて解説します。

売却価格は市場価格より安くなりやすい

自宅をリースバックした際の売却価格は、市場価格より安くなる傾向があります。

なぜならリースバックの売却価格は、自宅そのものの不動産としての価値ではなく、リースバックがどれだけの利回りを期待できるかという観点で決められるためです。

つまり、家を安く買い取るほど利回りはよくなるため、市場価格よりも安い価格で売却されることが多いのです。

しかし、家を市場価格より安く買い取られることは、デメリットしかないわけではありません。その理由は、家の売却価格が安いほど、賃貸契約後の家賃は安くなりやすいためです。

したがって、リースバックによる自宅の売却価格は、後の家賃負担のことまで考慮したうえで決めるのがよいでしょう。

毎月の家賃が発生する

リースバックでは、リースバック業者から今の家を借りて住むことになるため、当然家賃を支払う必要があります。

一時的な資金難をしのぐためにリースバックを利用したとしても、その後家賃が払えないなどの問題が起きてしまっては、本末転倒です。

よって、リースバックを行う前には、家賃を問題なく支払い続けられるかどうか検討する必要があります。

ちなみにリースバック後の家賃は、家の築年数、立地、売却価格、地域の家賃相場などによって決まります。これらの要素を総合的に判断した結果、家賃が相場よりも高くなるケースもあるため注意が必要です。

家賃をなるべく安く抑えたい場合は、複数の不動産会社に査定を依頼し、家賃の低い会社と契約するとよいでしょう。また、売却価格を下げる代わりに家賃も安くしてもらえるよう交渉してみるのも有効です。

契約内容によって何年住めるか決まっている

リースバックで賃貸契約を結んだ家は、通常の賃貸物件のように長く住み続けられるとは限りません。なぜならリースバックの場合、賃貸借契約を期限付きの「定期借家契約」というかたちで締結することが多いためです。

そしてリースバックの定期借家契約では、契約期間が2年以内に制限されることが多いため、長期間住み続けるのは厳しい可能性があります。

定期借家契約自体は、いったん契約期間を終了しても、貸主との合意を得られれば再度契約を結べます。言い換えれば、合意を得られなければ今の家に住む権利を失うため、退去せざるを得ないということです。

できる限り今の家に長く住み続けたい場合は、定期借家契約の契約期間を長く設定してもらえないか、あるいは期間の定めのない「普通借家契約」を結んでもらえないか貸主と交渉してみましょう。

リースバックのメリット

リースバックにはデメリットがある一方で、以下のようなメリットもあります。

同じ家に住み続けられる

● 家の維持にコストとリスクを大幅に削減できる

● 一括現金で資金を確保できる

以下の見出しでは、上記それぞれのメリットについて解説します。

同じ家に住み続けられる

リースバックでは、業者と賃貸契約を結ぶことで、売却した家に住み続けられます。そのため、新居探しや引っ越し業者の手配といった手間を省けます。

また、生活環境が変わらないことも魅力です。特に近隣の学校に通う子供がいたり、今の地域に慣れ親しんでいたりする場合は、生活環境を維持できる安心感は大きいでしょう。

そしてリースバックの場合は、外観は変わらないため、家の売却を近隣住民に知られるリスクは低いです。資金難に陥っていたことを周りに知られたくない場合にも、リースバックは役立ちます。

家の維持コストとリスクを大幅に削減できる

リースバックを行うことで、家の維持費やコストを大幅に減らせます。

まず家の維持費ですが、おもに以下のようなものが挙げられます。

固定資産税

● 都市計画税

● 管理費

● 修繕費

 上記は家の所有者が負担するものですが、リースバックでは自宅の所有権を業者に移転させるため、これらの負担から解放されます。

 そのため、一見家賃が高そうに見えても、実際は毎月の経済的負担が小さくなったというケースもあるのです。ただしリース契約によっては、修繕費が借主負担となる場合もあるため、契約時には契約内容をよく確認しましょう。

 またリスクとは、おもに地震や火災などの災害リスクのことを指します。自身の所有する家の場合、被災によって資産価値が大きく損なわれるのは困るでしょう。

 しかしリースバックの場合、家の所有権は業者に渡っているため、物件の資産価値下落による影響は基本的に受けずに済みます。

 一括現金で資金を確保できる

通常の不動産売却の場合、売却までに半年~1年程度かかるため、すぐに資金調達することが難しいです。

しかしリースバックは、業者と直接売買取引するため、一括ですぐに現金を手にできます。

したがって、すぐに資金調達したい場合はリースバックのほうがおすすめです。

リースバックがやばいといわれるのはなぜ?

リースバックがやばいといわれる理由は、おもに以下の3つです。

後から家賃の支払いが困難になる可能性があるため

● 賃貸借契約を更新できず退去させられる可能性があるため

● リースバック業者が倒産する可能性があるため

以下の見出しでは、上記の理由についてそれぞれについて解説します。

後から家賃の支払いが困難になる可能性があるため

リースバック後の家賃負担まで想定していたものの、実際には予想以上に生活を圧迫してしまうケースがあります。また、契約更新時に家賃を引き上げられることで、返済が苦しくなってしまうリスクもあります。

特に厄介なのが、リースバック契約時に「更新の際も家賃は上げない」と口約束したにもかかわらず、実際に更新時に家賃を値上げされるパターンです。

口約束の場合、内容を立証するのが難しいため、やむを得ず条件を飲むことになる可能性があります。そのため、このようなリスクを防ぐためにも、契約内容は必ずすべて書面にて残しておきましょう。

賃貸借契約を更新できず退去させられる可能性があるため

定期借家契約の場合、貸主の同意を得られないと契約を更新できません。契約更新できなければ、その家に住み続ける権利は認められないため、居座り続けようとしても「不法占拠」とみなされ強制退去の対象となってしまいます。

なかには、貸主から契約時に「満了後も再契約できますよ」といわれていたにもかかわらず、実際の契約満了時には再契約を断られるというトラブルが発生することもあります。

しかし定期借家契約は、貸主に正当事由がなくても再契約を拒否できるため、同意を得られなければそれに従うしかありません。

リースバック業者が倒産する可能性があるため

リースバック契約中には、業者が倒産する可能性があります。

なぜ業者の倒産がリスクであるのかというと、賃貸契約を結んでいる今の住宅の所有権が競売などで第三者に移転され、その後新しい所有者によって強制退去を命じられる恐れがあるためです。

そのためリースバック業者は、大手不動産会社や上場企業など、資本力の大きいところに依頼して倒産リスクを抑えましょう。

まとめ

リースバックは、今の居住環境を変えることなく、かつ素早く資金調達できるため便利です。

一方で、家賃の支払いで苦しんだり、賃貸契約を更新してもらえなかったりするというデメリットもあります。リースバックを検討する際は、メリットのみではなくデメリットも含めて考えましょう。